転職活動で企業を探す中で休日休暇は重要な要素の一つです。
今回は年間休日に関する内容や週休2日制と完全週休2日制の違いを解説します。
・延べ600社以上の企業の営業担当として従事する
・面接官として1,000人以上と面談
・5,000人以上の新卒学生をサポート
※人材業界で10年以上働いた経験、知識を踏まえて解説します。
年間休日とは?年間休日の最低日数は?
年間休日とは会社が定める1年間の休日数を指します。あくまで各会社ごとにより異なります。
しかし、労働基準法により「法定休日は毎週少なくとも1日、または4週を通じて4日以上」「労働時間の上限は週40時間」「1日に8時間を超えて労働させてはならない」と定めた条項があるため、それから年間休日の最低日数が算出できます。
・1年365日÷週7日=約52週
・52週×40時間=2085.7時間(従業員を1年間で労働させることができる上限時間)
・2085.7時間÷8時間=260日(労働時間を1日8時間とした場合の従業員を1年間で労働させることができる上限日数)
・1年365日-260日=105日(年間休日の最低日数)
算出した105日は1日の労働時間を8時間とした場合であり、
1日7時間30分の場合
→2085.7時間÷7.5時間=278日
1年365日-278日=87日
1日7時間の場合
→2085.7時間÷7時間=297日
1年365日-297日=68日
となります。
1日の労働時間が短くなるほど年間休日数の最低日数が下り、少なく感じるかもしれませんが、法律上は問題ありません。
夏季休暇、年末年始休暇、有給休暇は年間休日に含まれる?
就業規則で「休日(公休日)」と定めていれば夏季休暇、年末年始休暇も年間休日に含まれます。
代表的なものは以下になります。
・国民の祝日
・ゴールデンウイーク休暇
・夏季休暇
・シルバーウイーク休暇
・創立記念日
・年末年始休暇
就職ナビなどの求人票の休日休暇の項目に年間休日と共に記載しているため、そこを確認すれば大方、転職希望企業の休日をわかることができます。
<休日休暇の例>
土曜日、日曜日、祝日(週休2日制※祝日はカレンダーによる)
年末年始
慶弔休暇
特別休暇
年次有給休暇
年間休日121日(20●●年実績)
上記内容の会社は夏季休暇の記載がありません。実際に休暇がないか、有給奨励日や計画年休として夏季休暇の日程を充てている場合があります。
日本企業の年間休日の平均は?
厚生労働省が発表した「令和2年就労条件総合調査・労働時間制度」によると、平成31年・令和元年の年間休日総数の1企業平均は109.9日となっており、企業規模が大きくなるほど年間休日が多いことがわかります。
企業規模 | 1企業平均年間休日総数(日) |
令和2年調査計 | 109.9 |
1,000人以上 | 116.6 |
300〜999人 | 114.9 |
100〜299人 | 113.0 |
30〜99人 | 108.3 |
週休2日制と完全週休2日制の違いとは?
求人票の休日休暇の項目に「週休2日制」と「完全週休2日制」と2種類が掲載してあります。同じように思われるかもしれませんが、意味合いが違います。
「週休2日制」と書いてあれば「毎週2日休める」ように思うかもしれませんが、そうではありません。
「週休2日制」とは1ヶ月の間に週2日休みがある週が一度以上あることとされています。したがってそれ以外の週が必ず週2日休みがあるわけではありません。
一方、「完全週休2日制」とは年間を通じて必ず毎週2日休みがあることを指します。
また、「週休2日制」「完全週休2日制」いずれの場合も土・日曜が休みとは限りません。
休日の曜日が明記されていない場合は面接の際などに確認したほうが良いでしょう。
まとめ
労働基準法により「法定休日は毎週少なくとも1日、または4週を通じて4日以上」「労働時間の上限は週40時間」「1日に8時間を超えて労働させてはならない」と定めた条項があり、それを遵守すれば、休みをどう設定するのかは基本的に会社の自由です。
今回解説した週休2日制、完全週休2日制のほかにも、週休1日制、隔週休2日制、シフト勤務制などさまざまな制度があります。
そのほかにも例外的に認められた、4週間のうちに4日以上の休日を与える場合は、週休1日を確保しなくてもよいという「変形休日制」などもあります。
私達にとって休日休暇は転職をする上で重要な要素の一つです。
しっかりと把握することが大切です。