転職活動の前に知るべき知識 PR

退職して無職の期間ができる人が必要な5つの手続き(失業保険・年金・健康保険・住民税・所得税)

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私は転職先を決定してから退職することを強くすすめていますが、様々な事情で転職先を決める前に退職をし無職(失業)の期間がある人は各種手続きを自分でしなければなりません。

これは、転職先が決まっている人でも1日でも無職の期間があれば必要です。

今回の記事では必ず必要な手続きを解説します。

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退職前後:手続きの前に会社から受け取る必要書類

退職後、各種手続きに必要になりますので、抜け漏れなく会社から受け取りましょう。

・離職票1、2
失業保険給付の申請に必要です。退職日の翌日から10日以内にハローワークで手続きを行い、会社から渡されます。

・雇用保険被保険者証
雇用保険の証明になるものです。失業保険給付を受ける際に必要です。
転職先が決まっている場合は、転職先の雇用保険の加入する際に必要です。
(会社によっては雇用保険被保険者番号を伝えているだけの場合もあります。)

・年金手帳
会社に預けている場合は忘れずに受け取りましょう。国民年金の加入の際に必要です。
転職先が決まっている場合は、転職先に提出してください。
(会社によっては基礎年金番号を伝えいているだけの場合もあります。)

・健康保険資格喪失証明書
健康保険から国民健康保険に切り替えの際に必要です。

・源泉徴収票
退職後、1ヶ月以内に会社から発行されます。年末での税金(所得税)の支払い(確定申告)で必要です。
転職先が決まっている場合は、転職先の年末調整時に原本の提出が必要です。

・退職証明書(必要がない場合もある)
国民年金、国民健康保険の加入手続きを行う際に退職日を確認する書類として離職票を提示するのが一般的ですが、離職票の発行には一定期間が必要になるため、すぐに手続きをしたい方は離職票の代わりに退職証明証を使うことがあります。
また、転職先が決まっている場合で、転職先から退職証明書の提出を求められると必要になります。
退職証明書は会社に依頼をしないと発行されません。必要な場合は依頼をしましょう。

退職後10日前後:失業保険(失業手当)の申請

自己都合退職の場合、3ヶ月の待期期間を経て失業保険の給付を受け取ることができます。

失業保険の受給期間は退職日から最長1年間のため、離職票が届き次第、できるだけ早く申請をすることをおすすめします。

申請期間離職票が交付され次第すぐ
申請場所居住地を管轄するハローワーク
必要なもの・離職票1
・離職票2
・雇用保険被保険者証
・身分証明書(運転免許書、運転経歴証明書、マイナンバーカードなど)
・証明写真2枚(直近3ヶ月以内、縦3cm×横2.5cmの正面上半身のもの)
・印鑑
・本人名義の普通預金通帳又はキャッシュカード
・個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票のいずれか1種類)

退職後14日以内:年金の切り替え

年金の切り替えは転職先が決まっていない場合は以下の2つのどちらかになります。

配偶者の被扶養配偶者(第3号被保険者)になる

俗に言う配偶者の扶養に入ることです。

配偶者が会社員や公務員(第2号被保険者)で退職者の見込み年収が130万円以下(60歳以上や一定の障害者は180万円未満)の場合に可能になります。

申請期間退職後すぐ
申請場所配偶者の勤務先
必要なもの・年金手帳又は基礎年金番号通知書
・退職証明書又は離職票の写し
・源泉徴収票の写し
※その他にも必要書類がいる場合がありますので、配偶者の勤務先にご確認ください。

国民年金(第1号被保険者)に加入する

配偶者の扶養に入る場合以外は全てこちらになります。

配偶者の被扶養配偶者になれば、年金を納める必要がなくなるため、条件をみたす場合はこちらに切り替えたほうがいいでしょう。

申請期間退職日の翌日から14日以内
申請場所住民登録している役所の国民年金窓口
必要なもの・年金手帳又は基礎年金番号通知書
・退職日が証明できるもの(離職票、健康保健施策喪失証明書、退職証明書など)
・身分証明書(マイナンバーカード、運転免許書など)
・印鑑
・通帳又はキャッシュカード、クレジットカード(口座振替、クレジットカード払いをする場合)

<公的年金の被保険者区分(対象者)>

●第1号被保険者

国民年金のみの被保険者。日本に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人など、第2号被保険者、第3号被保険者でない人が第1号被保険者です。日本年金機構年金用語集より抜粋

●第2号被保険者

厚生年金保険の被保険者。国民年金の加入者のうち、民間会社員や公務員など厚生年金、共済の加入者を第2号被保険者といいます。この人たちは、厚生年金や共済の加入者であると同時に、国民年金の加入者にもなります。加入する制度からまとめて国民年金に拠出金が支払われますので、厚生年金や共済の保険料以外に保険料を負担する必要はありません。日本年金機構年金用語集より抜粋

※2015年(平成27年)10月以降共済年金は廃止され、公務員や私学の教職員も厚生年金に加入する流れとなりました。

●第3号被保険者

第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)日本年金機構年金用語集より抜粋

退職後14日又は20日以内:健康保険の切り替え

健康保険の切り替えは転職先が決まっていない場合は以下の3つのどちらかになります。

保険給付の対象となるのは届出日以降となるため、各健康保険に入る届出が遅れると、さかのぼって保険給付を受けることはできません。加入資格が発生した日から届出日までの医療費は、全額自己負担(10割負担)となるため気を付けましょう。

家族の健康保険の被扶養になる

俗に言う家族の健康保健の扶養に入ることです。

被保険者により生計を維持されている三親等以内の親族(一部同居要件有)で退職者の見込み年収が130万円以下(60歳以上や一定の障害者は180万円未満)の場合などが主な条件とされます。健康保険によっては失業保険を給付を受け取っていると要件から外れてしまう場合もありますので、予め家族の健康保健の加入要件を確認してください。

申請期間退職後すぐ
申請場所家族の勤務先
必要なもの・健康保険被扶養者異動届
・退職証明書又は離職票の写し
・源泉徴収票
※家族が所属する健康保険によって必要書類が異なるため、健康保険組合の確認してください。

国民健康保険に加入する

国民健康保険は原則として市区町村が保険者となり運営を行っています。

国民健康保険料の計算方法や保険料率は、市区町村や国民健康保険組合によって異なります。国民健康保険には扶養という概念がなく、保険料は被保険者の前年(1月~12月)の所得と被保険者の人数などを基礎にして、世帯単位で計算します。

申請期間退職日の翌日から14日以内
申請場所住民登録している役所の国民健康保険窓口
必要なもの・健康保険資格喪失証明書
・自治体で入手した届出書
・身分証明書(運転免許所など)
・マイナンバーカードもしくは通知カード
・印鑑

これまでの健康保険を任意継続する

これまでと同じ健康保健をそのまま継続して加入する方法です。

保健自体は同じですが、退職前は保険料は会社と被保険者が折半ですが、退職後の保険料は全額自己負担になります。しかし、扶養家族の何人いても負担額は変わりません。また、保険料を納期までに支払わなければ任意継続の資格を失ってしまうので気を付けましょう。一度任意継続を始めたら、原則2年間の間に国民健康保険に切り替えたり、家族の扶養に入ることができません。

申請期間退職日の翌日から20日以内
申請場所退職時に加入していた健康保険組合の事務所または全国健康保険協会(加入していた健康保険により異なる)
必要なもの・健康保険任意継続被保険者資格取得申出書
・印鑑
・退職日が確認できる書類(離職票写し、退職証明書写しなど)※任意、届け出と一緒に添付すると、保険証が早期発行される
・保険料(1ヶ月分)
※加入していた健康保険により多少異なるため、健康保険組合又は全国健康保険協会に確認してください。

無職の期間、退職時期による:税金(住民税)の支払い

住民税は地方に納める「地方税」です。前年の1月~12月の所得をもとにして住民税決定通知書が6月ごろに交付され、6月から翌年の5月まで納付する仕組みです。

納付方法は会社に勤めている人は毎月の給料から天引きされる「特別徴収」と、それ以外の人は6月から一括もしくは年4回に分けて自分で納付する「普通徴収」があり、以下の3つのどちらかになります。

退職後1ヶ月以内に転職

転職先で継続して給料から天引きで支払うことができます。退職する会社に給与所得者異動届出書を依頼し、転職先に提出してください。

申請期間転職後すぐ
申請場所転職先の人事
必要なもの・給与所得者異動届出書(退職する会社に用意してもらう)

無職の期間が1ヶ月以上あり、退職月が1月〜5月

退職月から5月までの住民税が一括で徴収され最後の給料や退職金から天引きされます。

住民税が最後の給与や退職金との合計額よりが多くなってしまう場合は、全額または一部を普通徴収への変更も可能です。退職する会社に依頼をしてください。

申請期間退職日まで
申請場所退職する会社
必要なものなし(退職する会社に依頼をしてください)

無職の期間が1ヶ月以上あり、退職月が6月〜12月

退職月の住民税は給料から天引きされますが、残りの分は自分で納付しなければいけません。納付通知書が役所から送られてきますので一括か分割を選択してください。

また、退職する会社に希望すれば退職月から翌年の5月までの住民税を最後の給料や退職金で一括で支払うことも可能です。

申請期間退職日まで
申請場所退職する会社
必要なものなし(退職する会社に依頼をしてください)

退職後、無職の期間が1ヶ月以上:税金(所得税)の支払い(確定申告も必要な場合も)

所得税は国に納める「国税」です。あらかじめ1年の総収入を想定し、それを月割りにして源泉徴収されています。したがって、退職後に1ヶ月以上無職の期間(給料をもらっていない期間)がある場合などは所得税を多く納付していることになります。

余分に支払った所得税の還付を受けるためにも以下の2つのどちらかの手続きをしてください。

年内に転職

転職先の会社で年末調整が行えます。生命保険や住宅ローンなどの各種控除証明書と退職した会社の源泉徴収票を提出して手続きをしてもらいましょう。

申請期間転職先の年末調整提出時
申請場所転職先の担当部署
必要なもの・年末調整の届出書
・印鑑
・生命保険や住宅ローンなどの各種控除証明書
・退職した会社の源泉徴収票

年内に転職しなかった

会社が行う年末調整の代わりに確定申告が必要です。12月に転職が決まったとしても年末調整に間に合わない場合も自分で確定申告をしてください。

12月31日の時点で無職になってしまっていれば、確定申告が必要と認識していてください。

申請期間退職した翌年の2月16日〜3月15日
申請場所住民登録している管轄の税務署、還付申請センター、国税電子申告・納税システム「e-Tax」
必要なもの・確定申告書
・源泉徴収票
・生命保険や住宅ローンなどの各種控除証明書

まとめ

退職後、無職の期間があれば、「失業保険・年金・健康保険」の手続きを自分でしなければならなず、それぞれの手続きに期限があることも理解しておきましょう。

また、税金(住民税・所得税)も退職月や無職の期間などにより納付方法が異なります。

各種手続きに抜け漏れがないように気を付けましょう。